マツタケ山、延命の取り組み

2006年からマツタケ生産日本一が続く長野県。西日本などの主要産地ではマツクイムシによる松枯れなどで壊滅的被害を受ける一方、標高の高い県内産地は虫害を免れたためだ。だが、県内でもマツタケが発生するアカマツ林の老齢化などに直面している。良好な環境を守ろうと、生産者らによるマツタケ山の整備や増産に向けた動きが始まっている。
県内有数のマツタケ産地・諏訪地方の後山地区。山には幹の直径50~60センチと太い、樹齢100年越えのアカマツが目に付く。やぶが茂り、周囲は薄暗い。15年近くマツタケ生産にかかわる北真志野生産森林組合長の藤森良隆さんは「老齢のアカマツを切り倒し、新木を育てるのが望ましいが、費用や手間が膨大。収穫できるのは30~40年後のため、手を付けられない」とため息を漏らす。
樹齢50年を超えると、マツタケ発生量は激減するとされるが、諏訪地方では65年以上のアカマツ林が半分以上を占める。木炭など生活資材を林に求めなくなり、手入れが行き届かないことが要因だ。
こうした中、増産に向けて動きが始まっている。8月末に県林業総合センターで開かれたマツタケ生産者ら対象の研修会で、増野和彦・同センター特産部長が、人工栽培に向けた大学などと共同研究への理解を生産者に呼びかけた。増野部長は「研究には良好な森林の環境維持が前提になる。産地に協力してもらい、将来の生産増につなげたい」と話す。
マツタケが人工栽培されれば価格も下がり、もっと手軽に食べられるようになるかもしれない。なんとかマツタケにとって良い環境が保たれてくれるといいのだが。